専門用語のリスト:エキノコックス症

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エキノコックス症
エキノコックス症(Echinococcosis)は、寄生虫の一種である条虫の一つである「ヒドゥナ蚤」(Echinococcus属)が引き起こす寄生虫感染症です。この病気は、ヒトと動物の両方に影響を与え、一般には動物の感染源からヒトに感染が広がります。エキノコックス症は、経口摂取によって感染し、感染した動物やヒトの内臓に小さな嚢腫(嚢胞)を形成します。ここでは、エキノコックス症に関する詳細な情報を提供します。

1.エキノコックス症の原因:
●寄生虫:
・エキノコックス症を引き起こす寄生虫は、Echinococcus属に属するもので、主にEchinococcus granulosus(犬のエキノコックス)、Echinococcus multilocularis(キツネのエキノコックス)の2つの種類が人間に感染を引き起こします。
●感染源:
・犬やキツネなどの肉食動物がエキノコックス寄生虫を保有しており、これらの動物が排泄した寄生虫の卵が環境中に存在します。感染源はこれらの動物の排泄物、特に糞便に含まれる卵です。
2.エキノコックス症の症状:
エキノコックス症の症状は感染した器官や組織に依存します。感染が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
●肝嚢胞症(肝エキノコックス症):
・腹痛や膨らみ
・偶然の発見であることが多く、初期には症状がないことがある
●肺嚢胞症(肺エキノコックス症):
・咳や呼吸困難
・胸痛や血痰
●脳嚢胞症(脳エキノコックス症):
・頭痛やてんかん発作
・視力障害や意識障害
●骨嚢胞症(骨エキノコックス症):
・痛みや関節の腫れ
・骨折や変形
3.エキノコックス症の感染経路:
●経口感染:
・犬やキツネなどの宿主が排泄した卵が環境中に存在し、それが食物や水を介して摂取されることで感染が始まります。
●消化管内の感染:
・摂取された卵が小腸で孵化し、リンパや血液を介して各器官に運ばれ、嚢胞を形成します。
4.エキノコックス症の診断と治療:
●診断:
・血液検査や画像診断(超音波、CT、MRI)が行われ、患者の症状や感染の程度を確認します。
●治療:
・抗寄生虫薬や外科手術が一般的に使用されます。外科手術は嚢胞の摘出や損傷した組織の修復を目的とします。
5.エキノコックス症の予防:
●ヒトへの感染予防:
・手の十分な洗浄や生肉の避けることなど、感染源との接触を最小限に抑えることが重要です。
●動物の感染予防:
・定期的な獣医診断と寄生虫駆除が重要です。
・家畜と野生動物の間での交差感染を防ぐため、適切な衛生習慣を保つことが必要です。

エキノコックス症は、早期発見と適切な治療が重要です。感染リスクを減少させるためには、予防策の徹底が不可欠です。特に動物との接触がある場合には、衛生状態を確保することが大切です。



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